プロジェクト

スポーツ科学による地域振興 第2期プロジェクト 「スポーツ科学による地域振興」の紹介

スポーツ庁が公表した令和4年度全国小中学生体力・運動能力調査結果によると、令和元年度から下落傾向が続いていた8種目の体力合計点は過去最低を記録した。熊本県教育委員会の報告でも同様の傾向であることが示されている。最新の令和5年度結果によると、「握力」を除く7種目が改善傾向を示したものの、種目別では「走力」「持久力」の低下が依然として顕著であることが指摘されている。さらに文科省は、ここ40年ほどで運動不足を起因とした小児肥満児が2~3倍に増加しており、成人期以降も心身に健康障害をきたす可能性を示唆している。また厚労省は、子ども時代の運動経験は成人期以降の体力レベルあるいは身体活動状況を左右するトラッキングの可能性を指摘している。このような児童生徒の体力を取り巻く背景がある中、2021年度からスポーツ庁の地域運動部活動推進事業において学校における運動部活動改革が推進されており、部活動を学校単位から地域単位へ移行することが積極的に進められている。しかしながら、部活動地域移行の受け皿となるスポーツクラブや専門の指導者が不足しており、全国的にも熊本県内においても大きな課題の一つとなっている。すなわち、児童生徒における運動環境は現在過渡期にあり不安定な状況である。

そこで本研究では、地域の児童生徒の体力維持・向上に貢献し得る詳細な体力データの取得や測定評価、指導法を検証し、将来的に熊本学園大学のスポーツ資源活用およびスポーツ科学に基づくスポーツクラブ事業に繋げることを目的とする。