所長挨拶FROM THE DIRECTOR
熊本学園大学海外事情研究所は、1961年4月に中南米事情研究所として設立し、1972年に海外事情研究所と改称しました。現在全教員のうち、58人が研究所員として本研究所に所属しており、それぞれの研究を続けております。
研究の成果は年1回発行の所報「海外事情研究」に掲載され、また各国に関する学術研究を「研究叢書」として出版し、積極的に社会へ向けて情報発信しています。さらに年間を通じて講演会、研究会、シンポジウムを開催し、国内外の研究者を招いて研究交流を行っています。
本研究所は、2021年に設立60周年を迎えました。その記念事業として、2022年2月にはSDGsを主題として「環境と生命」「地域と災害」「社会と福祉」「国際移動」の4つのテーマを設定しシンポジウムを開きました。
2020年以来蔓延したコロナも2023年に収束を迎え、国際交流も通常の形に戻りました。
2022年度末の3月には『熊本学園創立80周年記念シンポジウム』を開催することが出来ました。これは日中韓合同の学術交流で、韓国・全南大学校からは本学を訪問されましたが、中国・深圳大学からはweb参加となりました。三者活発な意見交換が行われ、久々に意義のある交流が出来ました。
2023年度に入り、10月には中国・深圳大学の訪問団が来日されました。テーマは『日中高齢化社会における政策について』であり、両研究所の専門家による発表が行われました。深圳大学訪問団はこのほかに卒業生を主とする企業家グループを帯同され、熊本の企業家達と顔を合わせて互いの状況を紹介しあいました。深圳の企業はいずれも大規模企業、熊本は大半が地場の中小企業でしたが、深圳の企業家達は熊本の中小企業の持つ技術や経営方法に非常に興味を示しました。今後企業間の連携につながっていくことを期待します。11月には韓国・全南大学校の訪問団が来日されました。本学の産業経営研究所との共同開催で、『ポストコロナの社会、The society after Covid-19』をテーマとし、こちらも活発な意見交換が行われました。
本研究所の研究所員が自分の研究の特徴を発揮し、各方面の情報を集め、研究討論を行い、変化する日本社会及び国際社会に対応する方向性を探っていきたいと考えます。
2024年6月所長 李 珊(外国語学部教授)