家庭児童相談室の窓から  当相談室では家族についてのご相談もお受けしていますが、女性相談者がパートナーのことを話題にする場合、相談員がその方をどう呼ぶかは毎回迷うところです。  相談者の言葉遣いに合わせるようにしていますので、相談者がパートナーを「主人《と呼ぶ場合は、こちらも「ご主人《を使い、そうでない場合は、相談者の使う言葉を聞きながら、「夫さん《「おつれあい《等、できるだけ相談者の感覚に馴染みそうな言葉を選びます。相談者はそれ以外にも、「お父さん《「うちの《「あの人《等、さまざまな呼び方をします。  最近の若い世代では「旦那《「ダンナさん《がよく使われているようです。男女共同参画を推進しているこの時代に、なぜ「旦那《?芸能人の結婚がよく「入籍《と報道されるせいか、家制度を想起させる「入籍《という言葉も「結婚《の同義語のように使われることが増えてきました。こういう言葉の裏側にあるイマドキの結婚観も気になるところです。  相談者がパートナーをどう呼ぶかは、相談者の家族観、夫婦観を推し測るひとつの手がかりになりますが、同時に、相談員の使う言葉から、相談者は相談員の価値観を知ることができます。相談員が口にした言葉に相談者が違和感を覚えれば、おそらく本音は語られません。難しくてデリケートな問題だと思います。 (家庭児童相談室 相談員 砂川真澄) 発行所 熊本学園大学付属社会福祉研究所 〒862−8680 熊本市中央区大江2−5−1 ☎ 096−364−5161(代) 発行人 所長 守弘仁志  編集人 社会福祉研究所委員会 印刷所 コロニー印刷 ☎ 096−353−1291 ■再生紙を利用しています。 ■揮発性有機化合物発生の抑止と紙のリサイクル性に優れた「大豆インキ《を使用しています。