家庭児童相談室の窓から  熊本地震から1年8か月が過ぎました。新聞報道によれば、県内主要企業へのアンケートで地震影響を脱したとの回答が8割を超えたそうです。また、衆院選前の世論調査でも、復旧・復興が進んでいると答えた人は6割を超えています。  けれど一方で、1万9千世帯の仮設暮らしが続き、災害公営住宅着工はまだ5割に満たないという現実があります。地震の影響で心のケアが必要な子どもも多数います。昨年熊本市内では女性の自殺者が増えたという気になる報道もありました。当室を含め、相談機関の役割はまだ大きいと感じます。  当室では、身近な人の悩みを聴いている方から助言がほしいという相談を受けることがありますが、こういう方たちを応援することも大切な支援だと考えています。話の聴き方を尋ねられたときにお伝えしているポイントは、「き・れ・い《です。  「き《は「共感して《。「あなたの気持ち、わかりますよ《という姿勢で話を聴くと話し手は安心します。「れ《は「冷静に《。大げさな反応や感情的な態度を慎み、落ち着いて話を聴くと、話し手は話やすくなります。「い《は「一緒に考える《。結論を押しつけず、その人の自己決定を尊重して寄り添うようにします。  身近な人から上手に話を聴いてもらえることで元気になる人がたくさん出てくることを祈っています。    (家庭児童相談室 相談員 砂川真澄) 発行所 熊本学園大学付属社会福祉研究所     〒862−8680 熊本市中央区大江2−5−1 ☎ 096−364−5161(代) 発行人 所長 守弘仁志  編集人 社会福祉研究所委員会 印刷所 コロニー印刷 ☎ 096−353−1291