新日本窒素労働組合旧蔵資料の段階的保存プロジェクトを開始しました
2017年度から水俣学研究センター所蔵資料の資料群のうち新日本窒素労働組合旧蔵資料を対象として段階的保存プロジェクトを始動しました。
新日本窒素労働組合旧蔵資料は、他の資料群と比較しても劣化が激しく、後世に引き継ぐため何らかの対策が必要でした。資料の「回復処理」ではなく「劣化予防」するために、当センターの保存環境、経済面、保存ニーズなど加味して、10年計画で脱酸性化処理および簡易修復をデータベース作成プロジェクトのひとつとしてはじめました。
丸善雄松堂株式会社熊本営業所に依頼し、株式会社プリザベーション・テクノロジーズ・ジャパンに作業を行っていただきました。
当センターと同規模の資料館や研究機関などでは、経済面で手がつけにくかった保存プロジェクトですが、資料の希少性、これまでの閲覧状況などから現地ニーズが高いこと、さらには、水俣病事件が未だ終わることのできない現状であることから段階的に取り組みはじめました。
今後、青焼などの資料をデジタル化して保存することも課題のひとつです。
水俣学の理念のひとつである「学びを現場にかえす」ための取り組みのひとつであるといえます。