2022年度 第21期 水俣学講義のご案内
2022年度 第21期 水俣学講義を9月22日(木)から2023年1月19日(木)までの間(冬季一斉休業などを省く)、毎週木曜に開講いたします。
時 間:13:00~14:30 教 室:1411
◎11月以降も遠隔授業です。*12月22日のみ14号館1階高橋守雄記念ホールです。熊本学園大学の履修生も高橋守雄記念ホールで受講してください。
*熊本学園大学の履修生はmanabaから受講してください。
◎開講時には、ライブ中継を行いますので、水俣学研究センターホームページよりご覧ください。https://gkbn.kumagaku.ac.jp/minamata/(講義時間中のみ視聴可能です。)講義予定
①9月22日 「水俣病事件の歴史と現在」 花田昌宣(熊本学園大学社会福祉学部・水俣学研究センター)
②9月29日 「水俣病被害を捉えるための事始め」井上ゆかり(水俣学研究センター・研究員)
③10月6日 「水俣病と、ともに歩んできた私の人生」佐藤スエミ(水俣病被害者互助会)
④10月13日 「水俣病裁判解説」佐伯良祐(あらた法律事務所所属・弁護士)
⑤10月20日 「「チッソ」と歩んだ我一族」藤本寿子(水俣市議会議員)
⑥10月27日 「水俣病取材が教えてくれたこと」久間孝志(熊本日日新聞 編集局 地域報道本部地方都市圏担当部長兼論説委員)
⑦11月10日 「水俣病事件において国は事実を無視し続けている-第二の水俣病事件に関わって」萩野 直路(新潟水俣病訴訟を支援する会事務局)
⑧11月17日 「胎児性水俣病自立への回路」田尻雅美(水俣学研究センター・研究員)
⑨11月24日 「一医学生の見た水俣病」副島秀久(済生会熊本病院 医療情報調査分析研究所 所長)
⑩12月1日 「発効5周年を迎えた水銀に関する水俣条約の現状と課題」中地重晴(熊本学園大学社会福祉学部・水俣学研究センター)
⑪12月8日 「市職員として水俣病にどうかかわったのか」 川野恵治(医療法人善哉会 山田クリニック 事務長)
⑫12月15日 「私とユージン・スミスと水俣」石川 武志(フリーランス・フォトグラファー)
⑬12月22日 DVD 上映 会場:14号館1階高橋守雄記念ホール(ライブ配信はございません。)
⑭2023年1月12日 「水俣病から原爆被害へ 私のかかわりの軌跡と二つの病気からみえてくるもの」調 漸(長崎大学 特命教授、公益財団法人長崎平和推進協会理事長、核兵器廃絶長崎連絡協議会会長)
⑮1月19日 「水俣病と水俣学の将来展望」中地重晴(熊本学園大学社会福祉学部・水俣学現地研究センター)
講義資料、随時アップいたします。
熊本学園大学 学生向け講義
今後の予定
以下は終了しました
研究活動報告
第21期水俣学講義全15回終了いたしました
第21期水俣学講義を9月22日(木)から2023年1月19日(木)まで全15回終了いたしました。本年度も、水俣病の被害当事者、支援者、研究者、記者、医師など多彩な方々が講師を務めていただきました。
支援者として藤本氏から、原因企業チッソの歴史とご家族の歴史を振り返り、患者支援に携わるようになった背景、共生とは何かをお話いただきました。患者として佐藤スエミ氏に熊本県芦北町女島や結婚後の水俣市茂道での暮らし、連れ合いの水俣病裁判に対する思いを伺いました。大阪から佐伯氏が公健法の目的や水俣病認定基準の変遷、第2世代訴訟で何が議論されているかを分かりやすく解説いただきました。久間氏から水俣病公式確認50年の時の患者認定や裁判を通し、地元記者として水俣に向き合うとはどういうことかを話していただきました。新潟からは萩野氏に、新潟水俣病資料館の展示で行政認定義務付け訴訟の記載がなくなっていた問題、未認定患者の闘い、1977年判断条件の誤りについてお話を伺いました。医師として副島氏からは、社会を知らなかった学生時代と年を重ねた後の水俣の捉え方、そして若い人に期待するメッセージをいただきました。また、医師として長崎から調氏には、原爆被害と水俣病被害から問題の根源に人の尊厳を無視したことが大きいということを詳細な調査結果から示していただきました。
元水俣市職員の川野氏には、水俣病や産廃処分場問題、環境モデル都市などの関わりから自身にどう影響を与えたのかについて伺いました。また、写真家の石川氏からは、「私とユージン・スミスと水俣」と題して貴重な写真をみせていただきながらお話を伺いました。大学の講義では本来あり得ない内容の第22期水俣学講義となりえたのは講師の皆様のご協力によるものです。
新型コロナ感染症拡大防止のため本年度も遠隔授業での開催で、受講生は162名でした。来年度は学生の顔を見ながら講義できることを祈っております。講義の様子は何度か報道されました。
2023年度も秋学期(2023年9月~2024年1月)に開講いたします。