国際フォーラム

開催のご案内 第3回環境被害に関する国際フォーラム ―水俣病・失敗の教訓を将来に活かす―

第3回環境被害に関する国際フォーラム ―水俣病・失敗の教訓を将来に活かす―
開催日時:2019年2月22日(金)9:30~18:30
会 場:熊本学園大学14号館高橋守雄記念ホール
開催日時:2019年2月24日(日)9:30~17:00
会 場:水俣市公民館ホール

開催趣旨:経緯と意義
水俣病患者の発生が公式に確認されてから62年が経過している。産業活動による広範な環境汚染を通じて重篤な患者が発生したこと、胎盤を通じて次世代にも重大な影響を与えたことなどは人類が初めて経験したものであった。また、この水俣病事件は、政治、経済、法律、社会、文化など各方面に大きな影響をもたらしたのである。さらに、水俣地域や新潟では、被害者達は今なおその傷が癒えておらず、問題も全て解決したとはいえない現状がある。
熊本学園大学では、2000年に原田正純を中心に水俣学研究プロジェクトを開始し、水俣病事件を様々な分野から多角的に捉え、水俣病の教訓を世界に発信し、未来にその教訓を残すような研究を行ってきた。2005年4月には水俣学研究センターを設置し、大学内および水俣現地に研究センターをおき、調査・研究・教育活動を行ってきた。また、カナダ、タイ、韓国、台湾などをはじめとする公害被害発生地域の調査研究ならびに交流も実施してきた。
私たちは、2006年夏に「水俣の教訓は活かされたか」という問い掛けを国内外に発する国際フォーラムを開催した。その後、日本では東日本大震災と福島原発事故を経験した。国外でも公害、環境破壊が多く発生するとともに地域住民・被害者の運動が各地で続いている。
2013年に、長期継続的な国際交流と水俣学の国際発信を願って、第2回国際フォーラムを開催した。これは、水俣学の理念と方法に則り、国境を超え、学問の分野を超え、専門家と市民の分断を超えた取り組みによって、水俣の負の遺産(失敗)を繰り返すことのないような世界を構築することをめざすものである。
2018年度に第3回国際フォーラムの開催を企画した。第3回国際フォーラムは、研究者だけによる国際会議ではなく、国内外の公害被害発生地域の被害住民、研究者、NGO/NPO支援者らによって構成される。このフォーラムは、被害者の視点にたち、公平と正義に基づく実践的な議論の場となることであろう。

ここでの課題は以下の三点に集約される。
1)日本において起きた水俣病が引き起こした被害につき、その教訓が日本国内のみならず世界において、どのように活かされたか、あるいは活かされなかったかどうかを検証する。
2)世界各地の環境汚染が引き起こされ被害が発生している地域において、日本の経験が教訓として活かされたかどうか、各地で進められている環境復元の取組みについて経験の共有をはかり、現在の課題は何かを相互理解を深める。
3)世界各地で起きていることに関する共通認識を深め、水俣の教訓が活かされるのはいかにすれば可能であるかを検証し、将来に向けて発信する。

日本からの報告 Key Note Speech
宮本憲一(大阪市立大学名誉教授) 日本の環境問題の現状と課題(仮題)
花田昌宣(水俣学研究センター長)   水俣病・失敗の教訓を活かす(仮題)
海外および国内からの報告
各国・各地域参加者から、事前にレポートの提出、それに基づき報告を求める
各地の現状と取り組みについて語ってもらう
取り上げる主要課題:水俣病を鏡として
1)被害の実態報告:発生と拡大・被害補償と訴訟
2)環境汚染浄化・公害被害の回復
3) 現状から将来へ
*参加についてなど、詳細が決まり次第、アップいたします。

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