2021年度
第三 資料収集、データベース化、公開促進(井上ゆかり)
今年度は以下の取り組みを行い、成果を発信した。研究協力者として、山下善寛、徳永常喜、緒方紀明に継続した資料整理に携わっていただいた(元新日窒労組組合員・山下はこのほか水俣学研究センター客員研究員も務める)。
・新日窒労組旧蔵資料写真画像の更新が完了
6万点にのぼる新日窒労組旧蔵資料の写真目録上に写真画像を2009年から順次公開してきたが、本年度水俣学現地研究センターにあるネガバインダー27冊すべてのフィルムスキャンが完了し、目録上に公開した。
・関西訴訟弁護士旧蔵資料の新規公開
大阪電通大学に関西訴訟支える会の横田氏が整理した関西訴訟資料は、熊本大学に寄贈された。熊本大学に寄贈された関西訴訟資料には、収集した横田氏が関わった沖縄関連資料などが含まれており、水俣病関連資料以外のものがあると考えられる。上記資料については、関西訴訟弁護団がその寄贈をめぐり警告文を熊本大学に内容証明書付きで送付している。
本学に寄贈された資料は、関西訴訟弁護団の田中泰雄弁護士から寄贈された資料で公開を前提として寄贈を受けている。本年度は、メタデータを公開した。資料画像は上記の経緯が解決してから公開するか検討する。
・福田政雄旧蔵資料の新規公開
水俣病訴訟弁護団の一員であった福田政雄弁護士(1913-1989)の所蔵にかかる水俣病関連資料で二次訴訟や三次訴訟関連資料である。昨年度、当センターの整理基準で改めて整理登録作業をしたところ、水俣病事件以外の刑事事件資料が含まれていたため取扱に関する検討を重ね、本年度メタデータと資料画像を準備中で8月公開予定である。
・松本勉旧蔵資料の音声データの公開
2018年からカセットテープをデジタル化し、目録上に音声ファイルを公開している。本年度は音声ファイル資料番号H038〜H052を新たに公開した。