2023年度
第3班<水俣学アーカイブ>研究プロジェクト
〇2023年8月28日から、国立国会図書館サーチの連携を開始した。今回「水俣学アーカイブ」のうち、新日本窒素労働組合の文献目録・写真目録の資料を国立国会図書館サーチでも検索できるようになった。「水俣学アーカイブ」で公開されているそのほかの資料群についても今後連携を拡張していく予定である。「水俣学アーカイブ」のメタデータは、「クリエイティブ・コモンズ 表示-非営利-継承 4.0 国際 パブリック・ライセンス」(CC BY-NC-SA)の条件により、国立国会図書館サーチが提供している各種APIからも利用できるようにした。
〇2023年9月8日から、ジャパンサーチとの連携をはじめた。ジャパンサーチは、書籍・公文書・文化財・美術・人文学・自然史/理工学・学術資産・放送番組・映画など、様々な分野の情報(メタデータ)を日本のみならず世界の人々に、調べて・見(観)て・活用してもらえる場を提供している。連携する機関は、現在までに137となっており、当センターもここに仲間入りしたことになる。今回、連携した資料は、新日本窒素労働組合旧蔵資料の文献と写真目録である。
センターと基盤(B)「公害教育実践に利する水俣学アーカイブの構築とその外延」(研究代表:井上ゆかり、2020-2023)および基盤(C)「第三水俣病事件は幻か?真相解明と資料の収集・整理で歴史的教訓を得る」(研究代表:高峰武、2019-2024)と連動して、水俣学アーカイブの活用に向けた作業、資料の長期保存体制の構築、などに注力した。
従来同様、資料の収集及び受け入れ、整理、データベース化を進め、別紙の資料を公開した。資料寄贈は下記のように受け入れた。
〇〇・緒方紀明(新日窒労組OB) 1点
〇〇・家村比呂志(新日窒労組OB) 74点
〇〇・石牟禮智(新日窒労組OB) 98点
〇〇・石田博文(新日窒労組OB) 6点
〇〇・松井利仁(元北海道大学教授) 119点
〇〇・特定非営利活動法人 まつさく(大阪市) 138箱
〇これらの成果を下記のとおり行った。
・2023年12月に井上が「水俣の揺れるトラウマ、そして水俣学アーカイブとしてのメモリーワーク」「トラウマ休館におけるメモリーワークと復興事業の文化人類学的研究」基盤研究B研究会(代表 田中雅一)、青葉地域センター(東京)にて報告した。
・2023年4月に井上ゆかり・中地重晴・田尻雅美が「水俣学の歴史と未来 ― 水俣学アーカイブ」社会的惨事特別調査委員会との研究交流集会、韓国保健市民センター(韓国)にて報告した。
研究成果の公表
〇研究成果は、公開講座、若手研究セミナー、水俣学講義、水俣病事件研究交流集会や講演などで広く公表している。また、水俣学研究センターのホームページでも成果の公表をしている。
〇今年度は『水俣学研究』の12・13合併号を刊行した。投稿論文の公募を広くするためにホームページのトップページに公募を掲載した。水俣学通信は、計画通り年4回発行することができた。