第20期水俣学講義全15回終了いたしました
〇第20期水俣学講義を9月30日(木)から2022年1月20日(木)まで全15回終了いたしました。本年度も、水俣病の被害当事者、支援者、研究者、医師など多彩な方々が講師を務めてくださいました。
〇支援者としては初代「水俣病センター相思社」世話人の栁田氏から、患者支援に携わるようになったきっかけやその後の苦労などを具体的に知ることができました。水俣から永本氏は、「胎児性水俣病患者と障害者」と題し、子どものころの経験、障害者と共に生きることについて伺いました。滋賀から藤井氏が琵琶湖での環境を守る取組と水俣の関わりについて、パワーに満ち溢れた活動を知ることができました。東日本大震災について阿部氏から貴重な事故当時の写真を拝見、なお続く原発問題に向き合う活動を具体的に伺いました。報道からは現役の熊本日日新聞から石貫氏が「水俣病と地方紙の役割」と題し、自身の取材を通した水俣病との向き合い方も知ることができました。新潟からは水俣病発生初期から調査を続けている斎藤医師には、発生初期からの医学的研究、支援が広がる工夫など貴重なお話を伺いました。研究者の磯谷氏からは、2021年に出版した『水俣に生きた労働者 チッソと新日窒労組の59年』をもとに長期にわたる調査とその結果について報告していただきました。小野田弁護士からはチッソ水俣病関西訴訟最高裁判決について伺いました。また、法政大学名誉教授の田中氏からは、「石牟礼道子と水俣学」と題してお話を伺いました。どの講義も時間があっという間に過ぎ、もっと聞きたいと思える内容でした。大学の講義とは思えない、ぜいたくな内容の第19期水俣学講義だったと思います。講師の皆様に感謝申し上げます。
〇新型コロナ感染症拡大防止のため本年度も、遠隔授業での開催でした。受講生は108名、一般の方々も毎回欠かさず受講してくださいました。また、講義の様子も何度か報道されました。
2022年度も秋学期(2022年9月~2023年1月)に開講いたします。