公開講座

第16期公開講座 「『ひきこもり』を知る・考える -『個人の問題』で片づけてしまわないために-」を開催いたしました。

近年「ひきこもり」が、殺人事件や死傷事故といったセンセーショナルな出来事との関連で語られることが多くなった。また、あたかもそれが「個人の問題」のみに帰するような、あるいは単純で興味本位の理由のみで説明されるような、一面的で不正確な情報に接することも少なくない。そこで本年度の水俣学研究センター公開講座では、それぞれが「ひきこもり」について考えるために、多様で有用な着眼点と広範で正確な知識を提供することを目的とし、「『ひきこもり』を知る・考える-『個人の問題』で片づけてしまわないために-」と題し、「ひきこもり」を「個人の問題」としてではなく、「社会の問題」として考えていけるよう開催いたしました。
初回は、熊本県ひきこもり地域支援センターの富田所長、西田氏より「ひきこもり」の全体像をお話ししていただき、理解を深めた。2回目は九州大学大学院医学研究院 精神病態医学の加藤医師より、国際的な視点から講演いただいた。3回目は熊本学園大学社会福祉学部教授・医師の城野氏より熊本大学病院での経験を踏まえ、具体的支援について医療現場の事例に基づきお話しをして頂いた。最後は、水俣市社会福祉協議会の主任相談支援員秋山氏より、水俣市での取り組みをより具体的にお話しいただいた。
毎回、質問を多くいただきました。関心が高い出来事であるとともに、具体的な内容をであったため、現場の方々が多く受講してくださった。水俣・芦北地域だけでなく、鹿児島県出水市・日置市、熊本市内から参加があり、社会福祉にかかわる方々、教育関係者の方々に多く参加いただきました。現場で抱える悩みなどの質問もあり、活発な議論が毎回なされ、アンケートにも深く学べたとご意見をいただくことができました。今回の公開講座は、延べ210人の方が受講、32人の方が全4回を受講され、修了証を発行しました。

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