私立大学戦略的研究基盤形成支援事業中間報告を行いました。
私立大学戦略的研究基盤形成支援事業 「水俣病の経験を将来に活かした地域構想と国際的情報発信のための水俣学研究拠点の構築」中間報告を下記のように行いました。
日程:2018年1月7日(日)
場所:水俣市公民館ホール
第13回水俣病事件研究交流集会にて開催しました。
外部評価委員:嘉田由紀子(前滋賀県知事)
外部評価委員:長谷川公一(東北大学大学院文学研究科教授 )
外部評価委員:赤木洋勝(国際水銀ラボ取締役所長)
第1班 水俣病被害の多面性に着目した問題解決のための包括的研究
外部評価委員:報告:花田昌宣
第2班 環境負債を克服し地域再構築にむけた評価および民主主義的合意形成をめざす社会的実証研究
外部評価委員:報告:中地重晴
第3班 水俣学アーカイブスを通した知の集積と国際的情報発信拠点の形成
外部評価委員:報告:井上ゆかり
3つの班の報告資料を関連資料に掲載していますので、関心がある方は、ご覧ください。
外部評価委員コメント
嘉田由紀子氏(前滋賀県知事)からは、水俣病事件研究交流集会で被害者が直接語る、一人称で語る人たちの声が届くというのは、とっても本質に迫っていいところだろうと思うと研究会が開かれた場であることの重要性をご指摘いただきました。次の展開として、どうやって地域再生をしていくのか。水俣病の経験を再生に向けて行くというときには、行政、そして政治と患者さんの大変な経験と、そこに研究者のノウハウと思い、これが住民・行政・研究とこの3者が力を合わせるところがいちばん大事だろう。そのためには、行政、国内外の他の環境問題・公害を経験している地域・被害者と連携することが、将来の展望として重要になるというコメントを頂きました。
長谷川公一氏(東北大学大学院文学研究科教授 )からは、最初に外部評価が外部評価委員と担当者だけでなく、様々な研究者、水俣病に係る被害者、支援者など一般の方々が多く参加する水俣病事件研究交流集会のオープンな場で行われていることを高く評価していただきました。今後、水俣学アーカイブの学術利用トライアルをし、研究者を育成するなどの工夫をしてはどうかとの意見もいただきました。さらに地域再生というこの問題にどう取り組むかということが、大幅に弱く地域再生の方法論がないので、海外などの成功例を研究し、今後どう取り組んでいくかが大きな課題であるとご指摘をいただきました。
赤木洋勝氏(国際水銀ラボ取締役所長)からは、データのクオリティの問題を学園大学としてどうやって取り組んでいくか大きな課題だろうと思います。また、どうやってクオリティを確保したのか、信憑性、信頼性を確保したのかクオリティコントロールを絶対に守っていただきたい。外国になる現在進行形の問題に対応するためにも、被害を拡大させた理由の検証もアーカイブとともに発信して行くことが重要であること。と貴重なご意見を頂きました。環境先進国スウェーデンのスピード、研究者の真摯な態度は、見習うべきものがあると思います。今後、そういう国との交流も進めれば、もっともっと深みのある、水俣学研究センターの課題が浮かび上がってくるのではないかと思います。反省あるいはその実証ができている資料を発信し、未然防止のためにモニタリングしていくことを期待しています。とのコメントを頂きました。