失敗の教訓を活かす
水俣病が公式確認されて半世紀以上を経た今、私たち一人ひとりに求められているのは、被害者が中心となって切り拓いてきた水俣病事件の歴史と現実に、もう一度しっかり向き合うことだと思います。その中で、「失敗の教訓」を将来に活かすことが、今を生きる私たちすべてに求められており、将来の世代のために果たすべき最低限の責任です。「失敗の教訓」を活かすこととは、水俣学が提唱する、細分化された専門の枠組み、さらには「素人」と「専門家」の枠組みをも超えて、すべての生活者が地域の課題に目を向け、その解決に向けて行動すると同時に、一人ひとりの生き方を問い直していくことです。
そのために、当センターでは、地元の被害者団体、市民、NPO、行政、企業、元チッソ労働者、地域経済団体と協同で、地域再構築の検討を行っています。ここでは、「失敗の教訓」を将来に活かす取り組みをご紹介します。
「水俣・芦北地域戦略プラットフォーム」開設の背景は?
水俣病が公式確認されて半世紀以上を経た今、私たち一人ひとりに求められているのは、被害者が中心となって切り拓いてきた水俣病事件の歴史と現実に、もう一度しっかり向き合うことだと思います。
その中で、「失敗の教訓」を将来に活かすことが、今を生きる私たちすべてに求められており、将来の世代のために果たすべき最低限の責任です。
ここで、「失敗の教訓」を活かすこととは、
- 細分化された専門の枠組み、さらには「素人」と「専門家」の枠組みをも超えて、
- すべての生活者が地域の課題に目を向け、
- その解決に向けて行動すると同時に、
- 一人ひとりの生き方と、今の社会のあり方を問い直していくことです。
このような考えのもと、2006年5月に、「水俣・芦北地域戦略プラットフォーム」が開設されました。
「水俣・芦北地域戦略プラットフォーム」とは?
「水俣・芦北地域戦略プラットフォーム」は、
- 「負の遺産」としての水俣病事件をベースに、日々の暮らし、人間としての生き方、地域社会のあり様を問い直そうとする市民、NPO、研究者、民間事業者、行政職員など多様な関係者の「出会い、交流、学習、相互理解、そして、関係性構築の『場』」として、まず位置付けられます。
- また、「地域の新たな可能性を拓く『知識・情報』の形成・蓄積・発信の『場』」でもあります。
- さらには、「地域の多様な担い手、社会的アクターが共に学び、気づき、育ち、変わる『場』」としても位置付けられています。
このプラットフォームにおいて、水俣学現地研究センターに期待されているのは、大学の持つ知的資源・施設・人的資源を最大限に生かした「潤滑油/触媒」としての役割であると考えています。