研究員一覧を更新いたしました。
投稿の開催スケジュール
新日本窒素労働組合旧蔵資料の段階的保存プロジェクトを開始しました
2017年度から水俣学研究センター所蔵資料の資料群のうち新日本窒素労働組合旧蔵資料を対象として段階的保存プロジェクトを始動しました。
新日本窒素労働組合旧蔵資料は、他の資料群と比較しても劣化が激しく、後世に引き継ぐため何らかの対策が必要でした。資料の「回復処理」ではなく「劣化予防」するために、当センターの保存環境、経済面、保存ニーズなど加味して、10年計画で脱酸性化処理および簡易修復をデータベース作成プロジェクトのひとつとしてはじめました。
丸善雄松堂株式会社熊本営業所に依頼し、株式会社プリザベーション・テクノロジーズ・ジャパンに作業を行っていただきました。
当センターと同規模の資料館や研究機関などでは、経済面で手がつけにくかった保存プロジェクトですが、資料の希少性、これまでの閲覧状況などから現地ニーズが高いこと、さらには、水俣病事件が未だ終わることのできない現状であることから段階的に取り組みはじめました。
今後、青焼などの資料をデジタル化して保存することも課題のひとつです。
水俣学の理念のひとつである「学びを現場にかえす」ための取り組みのひとつであるといえます。
2017年度水俣学研究センター学内教職員水俣研修を開催しました。
2017年度水俣学研究センター学内教職員水俣現地研修を2月17日(土)に行いました。当センターでは、年に一度,学内教職員を対象に水俣において,水俣学現地研究センターならびに漁村地区など現地訪問研修を実施し,水俣学研究センターならびに本研究プロジェクトに関する理解を深め,研究基盤形成を学内的に支援する体制に資するとともに,研究を支える人材を育成することを目的に開催しています。
本年度は、教職員7名が参加してくださいました。水俣病の原因となるチッソ水俣工場正門を車中から見学し、排水が流された百間排水口、水俣市立水俣病資料館、水俣病公式確認のきっかけとなった姉妹二人が発病した坪段、水俣病多発漁村の茂道を見学しました。昼食は「南里」で太刀魚丼、貝汁定食などを堪能しました。水俣学現地研究センターでは、職員・アルバイトさんも出勤し、保存・公開している資料、健康・医療・福祉相談など具体的な研究活動を紹介し、交流を深めました。
水俣での楽しみとして冬場に最盛期を迎えているパール柑を杉本水産から頂き堪能、水俣・芦北地域の特産を味わえるよう道の駅、水俣の「まつぼっくり」、田の浦の「肥後うらら」、水俣病の教訓から無農薬、自然の営みと循環していけるせっけんなどを生産している「エコネットみなまた」の製品や「柳屋」の美貴もなかも取り入れています。
来年度も開催しますので、ぜひ、ご参加ください。
また、ご協力いただきました水俣の方々に感謝申し上げます。
松本勉旧蔵資料の音声目録とデータを公開しました
松本勉旧蔵資料は、元水俣市職員で水俣病市民会議の事務局長をつとめた方の資料群です。2016年には、文献資料1185点、書籍資料1714点、資料画像77点を公開しました。
今回あらたに音声目録507点を公開しました。音声目録は、松本氏が患者宅での聞き取りや座談会など水俣病事件そのときの貴重な音声がカセットテープに録音されていたものです。目録化するにあたり音声データを変換し保管しています。
音声目録のうち3点は、音声データを目録上で視聴できるシステムを構築しました。当センターホームページのデータベースのアイコンをクリックし、松本勉旧蔵資料をクリック、詳細検索で「音声有」をクリックすると目録上で視聴することができます。
なお、音声データは、マスキング処理を行っていません。それは水俣病事件の解明には当事者たちの実相なくして語ることはできないからです。詳しくは「水俣学研究センター所蔵資料データベースについて」をご覧ください。
第16期水俣学講義1月25日配布資料をアップいたしました。
第16期水俣学講義1月18日配布資料をアップいたしました。
第16期水俣学講義プログラムを更新しました。
第16期水俣学講義1月11日配布資料をアップいたしました。
新刊のご案内 『いま何が問われているか 水俣病の歴史と現在』
『いま何が問われているか 水俣病の歴史と現在』花田昌宣・久保田好生編 くんぷる発行 2017年12月8日 定価:本体価格1,800円+税
【目次】
第Ⅰ部 歴史と現在
第Ⅱ部 未来への波及
第Ⅲ部 伝える・学ぶ
【著者】執筆順
高峰 武(熊本日日新聞社論説顧問・水俣学研究センター客員研究員)
矢作 正(「技術と社会」資料館館長、元浦和大学総合福祉学部准教授)
中地重晴(熊本学園大学社会福祉学部教授、水俣学研究センター事務局長)
森下直紀(和光大学経済経営学部講師、水俣学研究センター客員研究員)
除本理史(大阪市立大学大学院経営学研究科教授、日本環境会議事務局次長、水俣学研究センター客員研究員)
多田 治(一橋大学大学院酒井学研究科教授)
白木喜一郎(「天の魚」出前プロジェクト代表・舞台監督、東京水俣病を告発する会)
田嶋いずみ(「水俣」を子どもたちに伝えるネットワーク・代表、NPO法人ここずっと理事長)
井上ゆかり(熊本学園大学水俣学研究センター研究員)
*書店で購入できます。
2017年度社会デザイン賞大賞 受賞しました
2017年度社会デザイン賞大賞を花田センター長が受賞しました。
水俣病の被害者支援の取り組みと「水俣学」の姿勢が評価されました。
「貴殿は長らく水俣病の被害者支援に取り組むとともに原田正純氏と「水俣学」を立ち上げ以来 国内外の公害・環境問題に「現地主義」「被害者住民第一主義」の立場から深くかかわってこられました その学術および実践活動両面におけるこれまでの尽力と貢献はパラダイムの転換期にあたる現在において人々の生き方と社会の在り方を考え これからの社会をいかにデザインしていくかを探求する社会デザインの理念に極めて合致するものと認められます。
よってその功績と栄誉を称え ここに表彰いたします2017年12月10日 社会デザイン学会 会長 北山 晴一」