2012(平成24)年度 第2回 水俣学若手研究セミナーのご案内
2012(平成24)年度 第2回 水俣学若手研究セミナーを開催いたします。
1.開催期間 2012年9月6日(木)~9日(日)の4日間
2.開催場所 熊本学園大学水俣学現地研究センター(熊本県水俣市浜町2-7-13)
3.テーマ 「水俣病事件の現在と水俣学の試み」
水俣病の発生が公式に確認されてから56年。その間の歴史の堆積の上に現在の水俣病をめぐる様々な制度や政策がめまぐるしく移り変り、水俣病の被害者はその中を生きてきました。
全国の大学では、環境問題に関する講義がおかれ、その中で必ずといっていいほど水俣病が取り上げられています。しかし、その一方、現在の水俣病をめぐる状況は分かりにくいとの声も聞かれます。
水俣学研究センターでは、地域に根ざし現地に学び、水俣病という負の経験を将来に生かすことを目指して、設立され、調査研究・教育に取り組んできました。今回のセミナーでは、私たちのそうした取り組みをベースに、次の世代を担う若手研究者に「水俣病事件の現在」を共有し、共に学ぶことを目的に開催します。
なお、水俣学のモットーである現地に学ぶことを大切にし、座学ばかりではなく現地でのフィールドワークを大切にします。
水俣病を直接研究テーマにするだけではなく、人類の負の遺産としての水俣病を学び、自分自身の研究活動に活かすことを目指す参加者を募集します。
4.セミナーの内容
(1)水俣学研究センターの紹介と案内
(2)水俣病事件に取り組んできた研究者及び地元の方々によるセミナー
花田昌宣 熊本学園大学水俣学研究センター長 「水俣学と水俣病の現状」
丸山定巳 熊本学園大学教授 「地域社会の形成と水俣病事件史」
宮北隆志 熊本学園大学水俣学現地研究センター長 「水俣・芦北の地域戦略と水俣病事件」
中地重晴 熊本学園大学教授 「福島原発事故と水俣学」
特別講師 宮本憲一 大阪市立大学名誉教授、日本環境会議名誉理事長 「四大公害の経験と水俣病」
(3)フィールドワークとその特徴
水俣病患者団体のリーダーへのインタビューから、水俣病半世紀の現在を理解する
水俣病患者団体リーダー宅を訪問して、インタビューを実施することを計画しています。水俣学研究センター研究員とともに少人数で訪問しインタビューをとり記録に残して行くことを計画しています。参加者と人数が確定してからインタビュー先を決定します。
また、セミナーでの座学をふまえて、普通の水俣研修ではなかなか訪問できないところを、研究員とともに回ります。
5.応募資格
(1)大学院生あるいはPD、または左記に相当する研究歴を有し、積極的に参加する意思を持つ者。
(2)大学などにポストを有する研究者で水俣病に関心を有する者。
(3)学部生の場合、卒業研究で水俣病等を課題としている者は指導教員の推薦を得ること。
(4)上記に該当しない場合は、ご相談ください。なお、「若手」とは年齢によるものとは考えておりません。
(5)セミナー全日程参加できるも者(オプションを除く)
6.募集人数 20名
7.受講料無料(現地移動、フィールドワークにかかる費用は主催者が負担します。水俣までの旅費交通費、滞在期間中の宿泊費、食事代はご負担ください。)
8.応募方法
① 略歴書(所定の書式を使用、メールアドレスを明記のこと)関連資料にございます。
② 自分の研究テーマ(1200字程度の発表内容を記載、様式自由)
9.応募締切 2012年8月7日[火曜日]
(14に記載しているメールまたは、郵送にて御申し込みください。)
10.受講者の決定
応募書類にもとづき、申し込み多数の場合には、水俣学研究センターにおいて選考の上、8月中旬に通知いたします。
11.スケジュール (予定)
9月6日(木)
10:30~12:00 オプション
水俣がはじめての人向けの水俣現地案内(資料館、主要地区巡回)
13:30~14:00 開会式および趣旨説明、参加者自己紹介
14:00~15:30 セミナー ① 「水俣学と水俣病の現状」花田昌宣
15:30~17:00 セミナー ② 「地域社会の形成と水俣病事件史」丸山定巳
17:00~18:30 フィールドワークの準備ならびに受講者による発表と討論
19:00~21:30 懇親会 (水俣市内)
9月7日(金)
10:00~11:30 特別セミナー 「四大公害の経験と水俣病」宮本憲一
12:30~14:00 セミナー③「水俣・芦北の地域戦略と水俣病事件」宮北隆志
14:00~15:30 セミナー④「福島原発事故と水俣学」中地重晴
16:00~18:00 フィールドワークの準備ならびに受講者による発表と討論
9月8日(土)
9:30~17:00 フィールドワーク
水俣病患者団体のリーダーへのインタビュー他
グループごとにディスカッション
17:30~19:00 参加者による討論会
湯の鶴温泉宿泊(*当センターにて予約)
9月9日(日)
9:30~11:00 フィールドワークの報告会及び討論
11:30 閉会式
12. 参考文献(事前学習)
参加者は、事前に学習して参加することが望ましい
1)『ガイドブック:水俣を歩き、ミナマタに学ぶ』水俣学ブックレット 熊本日日新聞社ほか
2)『水俣学講義』(日本評論社)『水俣学研究序説』(藤原書店)
『水俣学研究』(水俣学研究センター紀要)所収論文
3)水俣学研究センターホームページ(書籍・紀要に関しては水俣学研究センターホームページ上の出版物、ブックレットのページをご覧ください)
13.その他
① セミナー開催期間中の宿泊場所は、ご案内いたしますが、各受講者が手配してください。
*9/8宿泊に関しては当センターにて予約いたします。(1泊2食付き6000円)
② フィールドワークでの現地移動は、マイクロバス、水俣学研究センターのワゴン車などを使います。
③ プログラムの順序、フィールドワークの都合や受講者の人数等に応じて変更の可能性があります。また、地域の行事があるときは参加を検討します。
④応募書類は返却しません。なお、個人情報に関しては本セミナー以外の目的には使用しません。
14.応募/問合せ先
熊本学園大学水俣学研究センター 宛
〒862-8680 熊本市中央区大江2-5-1
minamata@kumagaku.ac.jp
Tel:096-364-8913(ダイヤルイン) Fax:096-364-5320
関連資料の略歴書をご利用ください
投稿の開催スケジュール
新日窒労組機関紙『さいれん』復刻版4を刊行致しました。
水俣病を引き起こした原因企業の労働組合である新日窒労組の機関紙『さいれん』を2010年12月から刊行し、2012年6月に第4回配本を刊行いたしました。
第4回配本は「水俣病裁判への本格的関わり」の時期です。復刻版には、解題の冊子もございます。あわせてご覧下さい。
今年の4月から「新日本窒素労働組合旧蔵資料」DBも大きくリニューアルし、組合の歴史が写真でたどることができ、さらに労働歌、組合が撮影した8ミリフィルムなどが当センターのHP上でご覧いただけます。
訃報 原田正純先生
原田正純先生が、2012年6月11日10時12分、急性骨髄性白血病のためご自宅で逝去されました。享年77歳。
原田先生は、最後までお元気でなくなる数日前まで、お見舞客に語りかけ、また取材を受けておられました。
6月14日、生前からのご希望で葬儀とはず、お別れ会を熊本市内玉泉院月出会館にて開き、全国から1300名余の方が参列され、弔電やメッセージも600通あまり届きました。
「人類の負の遺産としての公害、水俣病を将来に活かす」が水俣学の出発点でした。
原田先生は、水俣学はまだ始まったばかり、水俣病事件は足尾のように100年後もまだ引き継がれて行くだろうと、最後まで語っておられました。
原田先生とともに水俣学を構築しようとしてきたもの、そして原田先生とともに歩んできた多くの人々とともに、先生のご冥福をお祈りいたします。
センター長 花田昌宣
シンポジウム「胎児性水俣病の50年~水俣学研究センター戦略的基盤形成事業中間報告~延期のお知らせ
原田先生の訃報を受け、喪に服すために、2012年7月21~22日に予定しておりました
シンポジウム「胎児性水俣病の50年~水俣学研究センター戦略的基盤形成事業中間報告~」を延期させていただきますのでご報告させていただきます。
2013年2月に開催予定です。
詳細がきまり次第ご案内いたします。
福祉環境学フォーラム 「いのちをつなぐ、東北、熊本」のお知らせ
福祉環境学フォーラム 「いのちをつなぐ、東北、熊本」のお知らせ
3.11以降、これからの福祉と環境をどう考えるかは、私たちの直面する重大なテーマです。この度は、日本の最前線で活躍されている講師をお招きし、時代を担う高校生・大学生とともに、人と人が支えあう、よりよい社会の在り方について考えていきたいと思います。また高校生の皆様に、大学での研究や教育について経験する機会としていただければ幸いです。
突然のお願いで誠に恐縮ではありますが、ご高配を賜りますようお願い申し上げます。
福祉環境学フォーラム いのちをつなぐ、東北、熊本
――3.11以降の福祉と環境を考える――
日時:平成24年6月30日 午後1時から3時30分
会場:熊本学園大学 14号館 1F高橋記念ホール
講師:
炭谷 茂(すみたに しげる)氏
恩賜財団済生会理事長。環境福祉学会副会長、ソーシャルファームジャパン理事長。
元厚生省社会・援護局長、元環境事務次官。
東 俊裕(ひがし としひろ)氏
内閣府障がい者制度改革推進会議室室長、弁護士。
元DPI 日本会議条約担当役員、元熊本学園大学教授
主催:熊本学園大学福祉環境学フォーラム実行委員会
(水俣学研究センター、社会福祉研究所、社会関係学会、福祉環境学科)
後援:熊本県教育委員会・熊本市教育委員会
訃報
原田正純先生(熊本学園大学水俣学研究センター顧問)が、6月11日、午後10時12分、急性骨髄性白血病のためなくなられました。享年77歳。
つきましては、お別れ会(無宗教・自由葬)を行います。詳しくは添付ファイルをご覧下さい。
通夜はご本人の意志でございません。ご理解のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
新日本窒素労働組合旧蔵資料データーベースリニューアルのご案内
このたび、新日本窒素労働組合旧蔵資料データーベースをリニューアルいたしました。文献目録だけでなく、新日窒労組の歴史を写真・動画・音声で構成した「映像で見る新日窒労組の歴史」ショートストーリーを制作、アップしました。ショートストーリーは、組合の歴史が写真100点とともにご理解いただけるようキャプションをいれております。
文献目録は、前年につづき「さいれん」1~1192号(登録番号4267~4275番)および2952~3238号(登録番号4295~4300番)から採取した記事データをアップデートしました。
データ数は細目番号・目次番号データあわせて13545点です。今年度はさらに、写真目録と物品目録を制作し、それぞれ7436点と537点のデータをアップデートしました。物品目録には、それぞれ写真が添付されております。
水俣学ブックレット第6号『水俣病小史 増補版』を刊行しました
2008年3月に水俣学ブックレット第6号『水俣病小史』を刊行いたしましたが、この度2008年から2012年2月までの事象を追加した「増補版」を出版いたしました。
ご希望の方は、水俣学研究センターまでお問い合せ下さい。
水俣学研究がご覧になれます。
研究紀要『水俣学研究』は、2009年3月に創刊号を刊行し、これまで3号まで発刊しております。
今回、ホームページ上に新たに研究紀要を加え、ご覧頂けるようになりました。
どうぞ、ご活用ください。
冬季一斉休業のため休館いたします。
2011年12月23日(金)~2012年1月4日(水)祭日・冬季一斉休業のため大学・水俣学現地研究センターとも休館いたします。